マネーロンダリングの起源、アル・カポネのランドリー事業

お金を洗浄する――言葉の響きからして何やら怪しげな行為を連想させますが、この「マネーロンダリング」という言葉の背後には、アメリカの犯罪史上、最も有名なギャング、アル・カポネが関与していると言われています。

不正な収益の「洗浄」

アル・カポネは1920年代のアメリカ、特にシカゴでその名を轟かせていました。

彼の主な収益源は密造酒の取引や賭博所などの違法な事業でした。

しかし、こうした違法活動から得られる利益は、そのまま銀行に預けるわけにはいきません。

なぜなら、税務署や警察が不正な収益の痕跡を追ってきた場合、アル・カポネは法の裁きを受けることになるからです。

ちなみに、アル・カポネは、ONE PIECE(ワンピース)のカポネ・ベッジというキャラクターのモデルでもあるようです。

合法的なビジネスでのカモフラージ

彼が考えた方法は、違法な賭博所で得た収益を、表向きは合法的なランドリー店(洗濯屋)の収益として偽装するというものでした。

彼は数多くのランドリー店を持っており、こうした店舗を利用して、違法な収益を合法的な収益に”洗浄”していたと言われています。

この方法により、アル・カポネは違法活動からの収益を、見かけ上は合法的なものとして銀行に預け、税務署や警察の目を逃れることができました。

言葉の起源としての「マネーロンダリング」

こうしたアル・カポネの手法から、お金の「洗浄」行為を指す言葉として「マネーロンダリング」が生まれたと言われています。

現代では、違法な手段で得られた資金を合法的に見せるための手法全般を指す言葉として使用されています。

まとめ

「マネーロンダリング」という言葉は、現代の経済犯罪における重要なテーマの一つですが、その起源がアル・カポネの合法的なランドリー事業に関連しているとは、興味深い事実です。

過去の犯罪史から現代の問題に至るまで、この言葉には様々な背景や歴史が詰まっています。