住宅ローンを取り巻く金利の動向が、住宅購入を考えている多くの方々の心を捉えています。
とりわけ、長期金利の上昇と変動型ローンの引き下げ合戦は、先日のニュース番組でも話題となっていました。
ここでは、その背景とともに、変動型ローンの特性とメリットについて詳しく探ってみましょう。
現在の長期金利の動向
長期金利の代表として知られる10年物国債の利回りが0.72%と、約9年8ヶ月ぶりの高水準になりました。
この上昇は住宅ローンの固定金利に直結します。
なぜなら、金融機関はこの長期金利を基に固定型ローンの金利を決定しているからです。
結果として、大手銀行は9月に金利を軒並み引き上げています。
大手銀行の固定金利動向
三菱UFJ銀行:0.88%
三井住友銀行:1.09%
みずほ銀行:1.35%
いずれも前月からは上昇しており、実際の住宅価格にも影響を及ぼしています。
一方、変動型のローン金利は?
変動型のローン金利は短期金利に応じて決まるため、現在も低く抑えられている状況です。
実際、ある銀行では約9割の人が変動型を選ぶと言われており、銀行間での引き下げ競争が激化しています。
例えば、住信SBIネット銀行では、変動型の最低金利が0.32%です。
固定と変動、実際のコストは?
5,000万円を35年ローンで借り入れた場合、
固定金利(35年・1.7%):利息1,637万円
変動金利(0.32%):利息285万円(現状の金利水準が維持される場合)
変動金利を選べば大幅なコスト削減が期待できますが、その分リスクも伴います。
変動金利のリスクとは
変動金利は名前の通り、金利が変動するため、今後の金利の上昇を考慮する必要があります。
特に、金利は年2回見直されるため、その変動リスクは35年間続くことになります。
とは言うものの…
これまで見てきた通り、変動金利は固定金利に比べて非常に低い状況で、ぱっと利息を見比べただけでも明らかに変動金利の方が優位そうです。
さらに、変動金利では、適用金利が変わったとしても、返済額は5年間は変わらないように元金返済分が調整されます。
また、返済が進めば元本返済も進むため、10年も返済を続ければ支払う利息も大きく減少します。
そのため、たとえローン返済の後半で金利が上がっても影響は限定的です。
そうなると、あくまで個人的な意見ではありますが、選択すべきは固定金利型ではなく、変動金利型の住宅ローンでしょう。
まとめ
住宅ローンの金利選びは、現在の経済状況だけでなく、将来のリスクをも考慮する必要があります。
固定か変動か、それぞれの選択にはメリットとデメリットが存在します。
固定金利型では、将来の金利上昇を恐れる必要もなく、安心感はあるかもしれません。
しかし、上記の通り、現状は変動金利型が優位ではあるでしょう。
しっかりと自身のライフプランやリスク許容度を確認し、最適な選択をしましょう。