分散投資、卵は一つのカゴに盛るな

「卵は一つのカゴに盛るな」

これは有名な相場格言の一つです。

一つのかごに卵を入れて運ぶと、もしも転んでしまった場合、すべての卵が割れてダメになってしまいます。
同じ分だけ卵を運ぶにしても、かごを分けて何回か運ぶことにすると、もしどこかのタイミングで転んで卵が割れてしまっても、他のかごに入っている卵は無事です。

今回は分散投資についてのお話です。

分散投資とは

分散投資とは、投資対象を複数に分けてリスクを分散するための手法です。
リスクを抑えて資産形成をしたい方にはおすすめです。

分散の種類としては「資産」「銘柄」「地域」「時間」が挙げられます。

<資産の分散>
株、債券、不動産などの異なる資産に分散することです。
一般に、株と債券では、経済の動向に応じて異なる値動きをすることが多いと言われています。
そのような異なる値動きの資産に分散することでリスクを軽減できます。

<銘柄の分散>
株の中でも、A社だけではなくB社の株にも投資するといった感じです。
一つの会社の株価だけに影響されずにリスクを軽減できます。

<地域の分散>
国内と海外、あるいは先進国と新興国など、異なる地域に分散することでリスクを軽減します。
円だけでなく、外貨で資産を持つなど、通貨の分散の意味もあります。

<時間の分散>
積立投資のように、定期的に投資をすることでリスクを軽減します。
定期的に投資をして平均購入価格を平準化していくことはドルコスト平均法ともいいます。

メリット・デメリット

上記の通り、分散投資におけるメリットは、リスクを抑えてリターンを安定させて運用できるという点です。
予期せぬ事態により投資先の価値が暴落しても、資産を全て失うような失敗は避けられます。

メリットばかりに聞こえる分散投資ですが、デメリットもあります。

それは、リターンも低くなってしまうという点です。
リスクを抑えれば、その分プラスのリターンも分散されてしまうため、集中投資していた方が良かったということもあり得るのです。

そのため、リスクを取ってでも大きなリターンを得たいと考える人にとっては、分散投資は不向きな手法ともいえます。

分散投資の注意点

分散投資における注意点を3つほど挙げておきます。

<値動きの異なるものに分散>
とりあえず色んなところに投資した、というだけでは分散投資になりません。
異なる値動きをするものに投資をすることでリスクを軽減できます。
分散はしたものの、よく見たら同じ業界のもので同じ動きをする銘柄だった、なんてことがないようにしましょう。

<リスク許容度>
分散投資をすることでリスクを軽減できますが、もちろんリスクをゼロにできるというわけではありません。
そのため、自分のリスク許容度に合った投資先を選ぶ必要はあります。

<ポートフォリオのリバランス>
金融商品の組合せのことをポートフォリオといいますが、分散投資をすることでご自身ポートフォリオもできあがります。

そしてポートフォリオは、運用をしていくことで資産の配分が変わることもありますので、定期的に調整をして資産の配分を適切に保つことも大切です。

例えば、自身のポートフォリオにハイリスクな暗号資産も含んでいたとしましょう。
当初10%程度の割合で組んでいたものが、爆上げにより暗号資産のポートフォリオに占める割合が90%を占めるようになった、などという話は無きにしも非ずです。

そんな場合には暗号資産の利益を再び別の資産に替えておくことで、改めてリターンを安定させた運用をすることができるのです。
定期的なリバランスは行いましょう。

参考)GPIFのポートフォリオ

国民が払った国民年金と厚生年金の保険料を一括運用している世界最大の年金運用機関と言えば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。

我々の年金の運用をしているGPIFですが、その資産の構成割合は「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」に4分の1ずつとなっています。

ご自身の分散投資によるポートフォリオを組む際の参考にしてみてもよいかもしれませんね。

分散投資まとめ

今回は分散投資について解説してみました。
リスクを抑えて安定したリターンを得たいと考える方は、分散投資を実践してみてください。

本日の内容はここまです。

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